インプラントについて
当院では取扱いしませんが、私の考えを載せてみたいと思います。
まずは天然歯とインプラントはどう違うか
この二つの最大の違いは左図のような白い毛のように表されている歯根膜と呼ばれるもの
があるかないかです。
歯根膜とは歯を支える骨(歯槽骨といいます)と歯の根の部分を繋げて支える組織の事で
周りの組織に栄養供給したり、
クッションの役割をしています。
歯根膜があるおかげで、小石みたいな異物や小骨のような硬い物を咬みこまないように
口を反射的に開いてくれます。
また、歯の根と歯根膜と歯槽骨の関係がある事によって歯は動く事ができます。
だから、矯正することが可能になります。
以上から、簡単に歯根膜の特徴をあげるとこのようになります。
○ 歯を支える
○ 咬合圧の緩衝
○ 歯槽骨への栄養供給
○ 感覚の伝達(食べ物の固さなど)
ではインプラントはどのようになっていうのでしょうか。
インプラントの骨に埋まっている部分はほとんどが生体親和性の高いチタンでできています。
(いろいろ、作っているメーカーによって形状やコーティングが違います)
原理はチタンに骨の細胞が寄り添って密接に近づきます。
そしてオステオインテグレ―ションという名前がついているように骨と結合すると
言われています。
結合に要する時間は骨の状態によりますが、3~6か月ぐらいが多いかと思います。
おそらくインプラントそのものは人工物なので100%は結合していません。
上図のようなねじ山がある事が多いのでねじのように固定している部分もあると
思います。
インプラントについては “ 骨とくっつく ” この特徴だけです。
私もインプラントは少しかじりましたが、最終的に歯が無くならなければいいので
目指す方向ではないなと思い、リタイアしました。
良く見かける歯科医院の看板やインターネットの広告で、インプラント
の文字がたくさんおどっていますのではないでしょうか。
しかし、本来は
歯を何かのトラブルにあって、抜かない限り出番はありません。
ブリッジや義歯などと同じ代替のものです。
天然歯に勝るものはないのにでしゃばっている感じですね。
インプラントに歯根膜の機能があれば別ですけど、それが可能になる時代になれば、
その頃には歯の再生医療で歯をつくれるようになっています。
インプラントにしたいのは誰の都合でしょう。
このような世界そんなに必要でしょうか。
インプラントを日本に持ち込んだ小宮山彌太郎(やたろう)先生や
くれない塾の内藤正裕先生もこの先にまっているものを危惧しています。
私はこれから起こる事として
そろそろ、
ハイテクに振れ過ぎているとバランスが悪いので、その反動として原点に戻るような超アナログ
の時代がやってくると
思っています。
歯はアクセサリーではありません。
また、学生時代は基礎学で、歯根膜の構造や機能について勉強しましたが、実際に歯科治療を
始めるようになって、この存在のすごさを実感しています。
神様が歯にこのようなものを作ったのはすごすぎです。
このような経験を踏まて、削ってつめるの繰り返しの
下り坂の医療ではなく、替えのきかないものとして、なるべく介入や侵襲を少なく
することがその方のためだと思うようになりました。
みなさんもご自身の歯の価値を考えてみてはどうでしょうか。