神経の治療について <4>
前回に神経の治療の問題点をあげました。
それは
① 神経の管の構造の複雑さ (湾曲や分岐)
② 歯への栄養供給がなくなる、ミイラ化
③ 歯は食事をする器官、上下の歯が接触する
の三つになります。
これから順番に具体的に説明していきます。
①は治療が難しくなるという事を意味します。
神経の治療の成功は 西洋医学的に感染源をとらないといけませんので
“ 悪いところは全て取り除く ” のが原則です。
この事から、
○根の中の細かい所まで、できる限りきれいにする
○神経の取り残しをしない
の二つが必要になります。
これらの理由として、
虫歯の細菌は目に見えないため と 神経(タンパク質)は虫歯菌の御馳走になってしまうため
です。
神経の管をきれいになった目安として、神経の管を器具で削りとる削片で汚れを
確認します。(白い削片になるまで)
それでも器具の届かない所は、薬液で洗浄したりして消毒する必要があります。
また、神経の取り残しは 痛みが止まらない事 や 根の先に膿の袋を作ってしまう事が
治癒が悪くなってしまいます。
もし、私がこの治療を受けるのであれば、、、
あともう一つ重要なもので、治療中に唾液がはいらないようにする方法を取り入れている所を選びます。
その方法は、ラバーダムです。
下図のように、ラバーダムとはゴムのシートで歯にバネをかませて、唾液の侵入や薬液が口の中に
入らないようにする準備の事です。
後、できればマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を 使用して精密な治療をしている
所が良いと思います。
ラバーダムで再感染の防止 と マイクロによる精密な根管診療
このようなHPはよくあるのではないでしょうか?
神経の治療の問題点としてブログにしていますが、実際に臨床ではやっていましたので
ドクターからの目線ではこのように思います。
以上から、①の問題点は感染源をとるために “歯質の削る量が多い”
歯の根管の構造上、 “術者の技術にとても大きな影響を受ける”
事と思います。
次回は②について。