神経の治療について <3>
今回は実際の診療からみて感じている事を載せたいと思います。
上の図のように歯の中の神経とよく言いますが、実際は神経と血管が入った管になっていて歯に栄養
を供給しています。
そして、神経の治療では
虫歯の細菌に感染してしまったらこの管の部分とその周りの虫歯のはいりこんでいる歯質を削りとります。
次に、この治療の後には下図のピンク色の部分の根っこにつめる材料をなるべく隙間が
ないようにつめる作業が必要です。
(根管充填といいます。)
また根管充填を隙間がないようにつめるためには神経のあった管にぴったりつめやすいように
形を整える必要があります。
(根管形成といいます。)
以上のような事が実際には行われている事が多いのではないでしょうか。
確かにこの治療を行えば “ 虫歯による痛み ” は とれると思います。
しかし、この治療の問題点があり大きく三つに分けられると考えています。
<問題点>
① 神経の構造は複雑(分岐や曲線が多い)
② 歯への栄養供給がなくなる、ミイラ化
③ 歯は食事をする器官である
① 神経の構造は複雑
<例>
○右下の奥歯になりますが緑の線のように湾曲していてなおかつ、3次元な構造をしています。
(レントゲン写真では二次元のみになるので頭の中のイメージや手指の感覚が必要になります。)
○治療の難易度が患者様の歯によって差がでる。
○また、歯の神経の取り残しを防ぐためや、根管形成、根管充填をするために歯を削る量が増えてしまいます。
② 栄養供給がない、ミイラ化
○最初の図のように歯の神経の入っている管には血管も一緒に通っているのでこの治療では
神経と一緒に血管もとってしまいます。
(感覚としては歯の柔軟性が失われて歯石を取る時には硬い感じがします。)
○神経を根の先で切断してしまうので痛みを感じる事がなくなり、虫歯にその後に
なってしまってもわからないで中がボロボロになっている事がある。
(再治療ではさらに歯を削る必要があります。)
③ 食事に使用する
○歯は食べ物を細かくして咀嚼しやすくする器官のため “ 咬む力 ”がかかるのが他の器官とは最も違う所になります。
○歯ぎしり、かみしめなどの癖により過度な力がかかります。
○負担が多い場合には歯がわれてしまいます。
<例>
このような場合には2本ある根っこの片方はとらないといけません。
どうしてこのようなことが起こるかは
次回に載せます。