< メンテナンスの考え方 >
治療期間が済みその後はメンテナンスをしていく必要があります。
メンテナンスとは、 ドクターや衛生士さんに歯石をとったり、
クリーニングをしてもらうなどの延長線上のイメージが強いのではないでしょうか?
まずは導入で
歯科治療は細菌感染症がほとんどなので細菌のお話から。
虫歯は歯の中 かつ 歯そのものは 身体の “ 外 ”
歯周病は 歯茎と歯の境目なので 身体の “ 外と中 ”
当院の治療方針と違いますが、一般的に身体の外側の悪いものは取ることができます。
( 口から始まる消化器官はすべて外側になります。 )
なので、難易度としては “ 外と中 ” にまたがる歯周病のほうがかなり手ごわい事
になります。
ここで歯周病治療のグラフをご覧ください。(簡単にしてあります)
やや古い研究ですが、ある部位の歯周病治療が終わって、その部位のブラッシングをしなかったら
どうなるかというものです。
一週間後ぐらいに細菌数が減っているのは治療後に細菌の残骸を食べるマクロファージなどの細胞性免疫が活性化しているためです。
この研究では2ヶ月になりますが、今の歯周病の書籍でもおよそ9~11週で細菌の数は元に戻るといわれています。
つまり、2~3か月でメンテナンスをしてしまえば細菌数に関してはコントロールできる事が多いという事になります。
しかし、実際には口腔状態は大まかに3種類のバランスで成り立っていると考えています。
細菌 : 総数 、種類(やっかいな悪玉菌や日和見菌、善玉菌の比率)
身体 : 免疫力(唾液など) 、 内服薬や口呼吸の有無 、 生活の環境(ストレスのかかり方など)
口腔環境 : 治療歯の本数 、 修復材料( 硬さ、種類 ) 、 ブラッシングの状態 、 かみ合わせの関係
あくまでも私の考えになりますが、
細菌と口腔内環境のケアは患者様ご自身では50~80%ぐらいしかできない。
(個人差があるため)
また歯周病の場合は慢性の病気なため全身とかかわっていますので身体の占める部分にも
サポートが必要なのではないかと思います。(身体の強化)
このようにメンテナンスとは
細菌へのアプローチやブラッシング指導だけではなく、もう少し大きな視点をもって
いただけるとうれしいです。