いっけん、関係ないようにみえる認知症と虫歯。
一方で歯周病と脳梗塞や心筋梗塞、妊婦さんの低体重児出産などの関係は新聞やマスメディアでも
取り上げられています。
脳血管疾患や認知症は超高齢化社会を迎えている日本において
介護が必要になる原因の一位、二位をしめてしますので、避ける事はできません。
ですが、最近の研究このような事が二つの事が明らかになりました。
一つ目は、虫歯の細菌が認知機能の低下や脳血管疾患にかかわっている。
二つ目は、全体の5%ぐらい虫歯の細菌は歯のような硬い組織ではなくてもくっつくことができる。
そうは言っても、
歯と脳はかなり遠く離れた所にあるのに、どうしてこのような事になるのか不思議ですね。
これは、
まだ、世の中にはあまり浸透していないかもしれませんが、 “ 病巣感染 ”が関係いていると思います。
まず、下の図のように、健全歯の構造として、身体の中から神経と血管がつながっていて栄養を
供給してもらっています。
次に、虫歯が重症化して歯の奥の方まで進行してしまい、それを長く放置してしまうと
虫歯の細菌が歯の中の血管を通して血液中に侵入してしまうリスクが高まると考えられます。
健康な方であれば、身体の免疫機構がありますのでここで抑えてくれますので大きな問題には発展することは
あまりありません。
しかし、
先にあげた、血管に付着できる細菌は虫歯の細菌中全体の5%ぐらい存在しますので
脳の血管に障害などのなんらかのトラブルをかかえいれば、その部分に結合できる虫歯の細菌
が付着して身体の治癒反応を阻害して出血が続いてしまいます。
出血をとめる血小板がその部分にたどり着けません。
これらは本当に小さな出血ですが、脳出血を発症させるリスクになりうると思います。
また、リスクとして血管に付着できる虫歯の細菌を保有している方は14倍あります。
虫歯の細菌が
脳血管の出血の原因となり、認知症のリスクにつながる。
当院で心がけている事のひとつとして “口腔内を清潔に” することが大切。