小児の虫歯予防その1

小児の虫歯の予防について。

来院される小さいお子様や小学校の学校検診にて、長年変わらない場所に

虫歯がありました。

20年前とかと比較しても虫歯の本数は下がってきていますが、よりよくなってほしいので

今回は “ 小児の予防 ” にしました。

まず、乳歯の虫歯のなりやすい所は上図のような

○ 奥歯のかみ合う面

○ 歯と歯の間

にあります。

理由としては、

○ 乳歯は永久歯に比べて、歯の構造が粗なために柔らかいので、虫歯の細菌への抵抗力が弱い

○ 顎の発達や永久歯の交換期のかみ合わせのバランスをとるために、歯ぎしりをする

(力がかかるため歯に細かい亀裂ができる)

○ かむ面の溝が深いため

このため上図のように進行してしまいます。

また、虫歯の細菌の特徴として

酸素が嫌いなため入口が狭く、ブラッシングの磨き残しによるプラークがたまりやすい場所(栄養が豊富)が

増殖しやすい事も影響しています。

学校の歯科検診ではひっかからなくても特に歯と歯の間は見落としやすいです。

そこで予防の治療として奥歯のかむ面の溝をふさいで細菌が入らないようにする

処置をおススメしいます。

方法としては溝を埋める “ シーラント ” があります。

おもに乳歯の奥歯やはえたての6歳臼歯に処置をする事が多いです。

< 手順 >

まず、表面をきれいにしないと材料がつかないので

フロスや歯科用のブラシを用いて清掃します。

また、溝は入り組んでいますので洗浄の液体を使用してタンパク質を分解します。

次に歯の溝にエッチングという処理をしてくっつきを良くします。(表面に細かいギザギザをつくります。)

溝にシーラント材料を薄くいれて光で固めます。(必要であればかみ合わせの確認をします。)

拡大図のイメージではこんな感じになります。

処置としては、一回につき10分ぐらいで済むと思います。(奥歯2本で)

私の考えでは、6歳臼歯がはえる、かなり前の3才ぐらいには乳歯ははえそろっているので

その時に奥歯の8本をしてしまっても良いのではないかと思います。

次回はもう一つの予防についてのせたいと思います。