“よくかめる” “浮かない” 義歯作製の手順について(精密印象後)

< 義歯作製の手順の続き >

型どり(印象採得) → かみ合わせ の間のポイントをご説明します。

精密印象が終了しましたら、その後に義歯の外側との境界面をしっかり出すために

ボクシングという作業をします。

被せ物では歯と歯肉の境目に精度が必要なのでこの作業はしません。

< ボクシング >

赤い枠はユーティリティーワックスというもので境目の厚みを確保しています。(ビーディング)

赤い枠にパラフィンワックスをまいて石膏が外に流れないようにしています。(ボクシング)

今回は義歯なので

精密印象後の模型の

歯のあった土手(顎堤)との境界面を拡大しました。

(緑色の部分)

 

粘膜はみなさんピンク色ですが、頬や唇の周りなどは筋肉があることによって歯とは違い、とても動きます。

それは当院のリーフレットの内容ですが、下の図のように比較できると思います。

 

 

義歯治療は粘膜の動く量と大きさの違いをみなければいけません。

細かいことは省きますが、厚みの違いもあります。

 

もし、義歯の端が短ければ、すきまがあるので 「ゆるい」 「物がつまる」、

長ければ、筋肉や粘膜を押してしまうので 「ゆるい」 「入れるだけで痛い」

と訴えられる方が多いのではないでしょうか?

 

「よくかめる」、「痛くない」 義歯の条件にはおおまかに

① 義歯の適正な長さ、大きさ

② かみ合わせの高さ、左右の位置

③ 人工歯の位置、バランス

④ 完成後の粘膜あたり方やかみ合わせの調整

の順のステップが必要です。

今回は①にスポットを当てましたが、当院ではこのような考えを持って取り組んでいます。