ブラキシズム(歯ぎしり)について  

ブラキシズム(歯ぎしり)について <その1>

当院では<歯の破折を防ぐ>ために神経の治療をしない方法をとりいれていますが、

患者様の口腔内にはすでに神経の治療をされている方がいらっしゃいます。

10年以上の臨床経験から、そのような治療歯に破折が多いのですが、きれいな天然歯

でも割れてしまう事があります。

 

これにはすべての原因ではないですが、“ ブラキシズム ”

が関係しているのではないかと思います。

 

ブラキシズムとは

口腔やその周辺の器官にみられる習慣的な癖のひとつになります。

 

歯科医院さんでは

よく「歯ぎしりはありますか?」と

質問されることも多いのではないでしょうか。

 

また細かく分けると次のような3つのタイプに分ける事ができます。

 

◇歯ぎしり型(グラインディングタイプ)◇

夜間にギリギリこすり合わせて音が鳴り、周りの人から指摘されることが多い。

 

◇噛みしめ型(クレンチングタイプ)◇

このタイプは音が鳴らないのでわかりにくい。

起床時に顎のこわばりがある。

 

◇きしませ型(ナッシングタイプ)◇

顎をずらして、歯と歯をこすり合わせたり、噛みしめたりします。

 

これら癖がある方は

歯がすり減って歯の真ん中の層の象牙質がみえたり、

頬の内側に歯の跡や、歯ぐきの外側や上顎の真ん中に骨のでっぱりがある

などの特徴があります。

 

便宜的にここからはなじみがあるほうがわかりやすいので

ブラキシズム=歯ぎしり でお話しします。

 

<食事中と歯ぎしりの力の比較>

食事中 数~kgから30kgぐらい
歯ぎしり 100kg~200kgを超えることがある

*個人差はありますが、およそ5倍ぐらい違うことがあります。

 

食事中には唾液を飲み込む(嚥下)時も含んでいます。

しかし嚥下時も歯が接触しますがほとんど力はかかりません。

 

<時間の比較>

食事中 トータルで20分ぐらい
歯ぎしり およそ20分から1時間を超えることがある

 

*食事中でも早食いの方(特に男性の方に多い)は一嚙み一嚙み

の力が強いので注意が必要です。

 

歯ぎしりはこのように力と時間があるので歯や歯を支えている組織(歯周組織)

のダメージが大きいです。

 

症状としては次のようなものがあります。

 

歯: 知覚過敏

噛むと違和感がある

グラグラしてくる

(+歯周病があれば、歯ぐきが腫れる急性症状)

歯が歯ぐきに押し込まれて短くみえる

歯の表面が削れていたり、縦に亀裂が入っている。

レントゲン写真で 神経の空間が狭くなっている。

 

顎: 顎関節症

 

頭: 頭痛、偏頭痛(嚙む筋肉を長時間使っているため筋肉痛になった状態)

 

特徴として

その人の嚙んだ力がかかった時に

歯と顎を比べて丈夫な方は耐えられるが弱い方に症状がでます。

 

例えば、

多いのはテスト期間終了後の女性の学生は顎関節症が多い。(女性は男性にくらべて関節が弱い)

 

子供の歯と大人の歯の混在している時かみ合わせのバランスをとるために

に歯ぎしりをしている。

 

忙しくて睡眠時間が4時間とかとれず、その後ひと段落した後、

冷たいのがしみるか物を嚙むと痛い。

 

などが来院されるかたに多いと思いますし、心あたりがある方も多いのでは

ないでしょうか。

 

次回は歯ぎしりの原因や対処法を載せようと思います。